コンクリートメンテナンス
早めの補修でコンクリートの長寿命化を実現
コンクリートで造られた橋の寿命は塩害や大型車の通行によって、約60年程度と言われています。全国には約14万本の橋があり、その多くは高度成長期に急ピッチで建設されたものです。まさにこれから、その橋の老朽化の問題が押し寄せてきます。今後より一層、高度な補修技術が求められます。
施工までの流れ
Sto 乾式吹付工法 NETIS CB‐020040
弊社では、世界各地で信頼と評価のある、欧州で30年以上の実績を持つドイツ・StoCretec社の技術及び製品を導入し、既存構築物の補修・補強をトータルソリューションでご提案、施工しております。
施工手順
優れた施工性
- 搬送距離(Max)・・・水平200m 垂直150m (湿式吹付の場合、30~60mm)
- 一層の施工厚は6mm~50mm (最大100mm) (湿式吹付の場合、30mm)
- 交通振動下での施工が可能 (湿式吹付の場合、不可)
- 圧送ホースの閉塞トラブルがなく、長時間の作業中断が可能 (湿式吹付の場合、不可)
- コテ仕上げができる
- プライマー(下塗塗料)不要
- 型枠不要
高品質(高密度断面形成)
- 高速・高圧吹付けにより、細部まで充填され高密度断面形成 (平均圧縮強度4週・・・・65N/㎟)
- 単位水量も少なく、(W/C 40%)中性化・塩害・凍害に対する耐久性が高い
- 付着力が高く、母材コンクリートに強固に付着 (付着強度2.2N/㎟)
- 鉄筋裏等の狭い部分への充填性に優れている
効果
- 大幅な工期短縮
- 長距離・高所への材料運搬がスピーディに
一層50mm厚の吹付けで、一日あたりの施工量が多い
ミキシング作業・プライマー(下塗塗料)・型枠不要
圧送ホースの閉塞等のトラブルなし - 施工コスト削減
- 機械化により省人化・省力化
工期短縮に伴い、仮設費等の経費を削減 - 構造物の延命・長寿命化
Sto 耐震補強システム NETIS KT‐090036
これまでの耐震補強は、コンクリート巻立て、鋼板巻立て、PCM左官工法で対応していました。
耐震補強工法の体系
- ① 既存柱の外周部を25cm程度の厚さの鉄筋コンクリートで巻立てて補強する工法。型枠を作り、回し打ちにてコンクリートを打設します。
- ② 炭素繊維を敷き並べたシートを、エポキシ樹脂を含浸させながら柱の周面に巻きつけるシート貼り工法。炭素繊維は鉄の約10倍の引張り強度を有し、重量は鉄の約1/4ときわめて比強度が高い材料ですが、火災に弱いため、表層を樹脂モルタルで仕上げたり、柱コーナー部での炭素繊維の破断を防ぐために、コーナー部を半径30mm以上の円形に成形する必要がある等、手間がかかる工法です。
- ③ 厚さ4.5~12mmの薄鋼板を角型や円形に巻いて隙間に高流動モルタルやエポキシ樹脂を充填する方法や、 柱の四隅にアングル材を建て込み平板を溶接して裏側にモルタルを充填する帯板補強法があります。鋼板巻立て工法は、鋼板を建て込む際に一部足場を撤去する必要があるケースが多いため、足場の設計には十分配慮する必要があります。
- ④ ポリマーセメントモルタルとは、セメント、細骨材にポリマーディスパージョンまたは再乳化形粉末樹脂を混合したモルタルのことを指します。表面処理後、鉄筋等の補強材を既存柱に巻き、ポリマーセメントモルタル を吹付けることにより、既存柱と一体化させ、耐震性能を向上させる工法です。また、巻立て厚を従来のコンクリート巻立て工法の約1/5 に低減することが可能です。
乾式吹付耐震補強工法
乾式吹付耐震補強工法は、既設のコンクリートに補強鉄筋と乾式吹付工法を掛け合わせた強固な耐震工法です。河積阻害などの構造寸法上の制約・橋脚基礎への負担増加の問題に対応します。
耐震補強工法の効果
- 工期短縮
- 機械化施工、長距離圧送による施工速度の大幅アップ
- 施工コスト削減
- 機械化施工による省力化、工期短縮に伴う仮設費などの削減
- 優れた施工性
- 乾式吹付工法の優れた施工性を採用
- 品質の向上
- 付着強度などの強度特性に優れ、中性化・塩害に対して高い耐久性を発揮
乾式吹付耐震補強工法の効果の研究
福山大学との産学共同研究において、実証実験を行い、耐震性能の向上に極めて有効であるとの検証結果が得られています。
福山大学との共同研究
コンクリート工学年次論文にて、三島産業も共著者として発表いたしました。
SD490を用いた既存RC道路橋橋脚の耐震補強(2013年)
要旨:既存RC道路橋橋脚の曲げ耐力向上型補強において、補強による断面の増し厚をできるだけ少なくすることを目的として、補強用軸方向鉄筋に降伏点の高いSD490を配置し、ポリマーセメントモルタルを乾式で吹き付ける方法の曲げ耐力向上型補強方法としての有効性について検討した。その結果、提案工法は既存RC道路橋橋脚の曲げ耐力向上方の補強方法として極めて効果的であることが確認された。また、提案工法によって補強された既存RC道路橋橋脚の耐震性は、道路橋示方書に基づいて評価できることが確認された。
関連リンク